Googleスプレッドシートが“アプリの裏側”になる|不動産・見積もり管理を実例にLovable × Google連携を解説
Gmail / Calendar / Drive / Sheets / Slides / Maps / BigQuery / Gemini Enterpriseまで、Lovableに揃ったGoogleコネクタ群を、不動産会社の『物件管理+見積もり管理アプリ』を題材に実例→総論で解説します。
『普段使ってるGoogle』が、そのままアプリの裏側になる時代#
Lovableに、Gmail / Google Calendar / Drive / Sheets / Slides / Maps Platform / BigQuery / Gemini Enterpriseなど主要なGoogleサービスのコネクタが揃いました。これまで『業務システムを作る=新しいDBを設計する』だったのが、『すでにあるスプレッドシートやCalendarに、キレイなUIを被せる』だけで業務アプリになります。
本記事ではまず、もっとも“あるある”な業務シーンとして 『不動産会社の物件 × 見積もり管理アプリ』 を題材に具体例を示し、後半でGoogleコネクタ全体の使い分け(総論)に進みます。
実例:不動産会社の『物件+見積もり管理アプリ』を作る#
想定するのは、賃貸・売買の仲介や管理を行う中小の不動産会社。今は『物件一覧シート』『顧客シート』『見積もりExcel』『内見スケジュールはGoogleカレンダー』『契約書はDrive』とバラバラに管理しているケースです。これをLovableで“1画面のアプリ”にまとめます。
現状の困りごと
- 物件情報がスプシ、見積もりはExcel、図面はDriveに散在していて全体像が見えない
- 見積もりを作るたびに担当者がExcelで手計算 → ミスと作り直しの温床
- 内見の空き時間を聞かれるたびにカレンダーを開いて口頭で返答している
- 物件の住所から地図/最寄駅/徒歩分を毎回手で調べている
- 顧客への送付メール・契約書PDFの作成が、毎回コピペ作業になっている
作るアプリの全体像
[ 物件マスタ:Google Sheets ]──┐
[ 顧客/案件:Google Sheets ]──┤
[ 図面・契約書:Google Drive ]─┼──► [ Lovableアプリ(1画面ダッシュボード) ]
[ 内見予定:Google Calendar ]─┤ │
[ 地図/徒歩分:Google Maps ]─┘ ▼
[ 見積もりPDF:Slides → Driveに自動保存 ]
[ 顧客への送付:Gmailから直接送信 ]画面構成(4タブ)
- 🏠 物件一覧:Sheetsから物件を取得し、Mapsで地図表示/最寄駅・徒歩分を自動計算
- 👤 顧客/案件:問い合わせ顧客と紐づく物件、ステータス(追客中/内見済/申込/契約)
- 📅 内見予約:Calendarの空きスロットを読み取り、顧客が予約 → Calendarに自動登録
- 💴 見積もり:家賃・敷礼・仲介手数料・保証会社費用などを自動計算し、Slidesで提案書PDFを生成 → Driveに保存 → Gmailで送付
ステップ1:物件マスタをスプシで整える(5分)
Googleスプレッドシートを1枚用意し、1行目に列名を入れます。日本語でもOKですが、後の修正コストを考えるなら英語が無難です。
property_id | name | address | rent | deposit | key_money | type | status
P-001 | パーク麻布 | 東京都港区麻布十番… | 185000 | 1 | 1 | 1LDK | 募集中
P-002 | グランド代々木| 東京都渋谷区代々木… | 142000 | 1 | 0 | 1K | 申込中ステップ2:Google Sheets / Calendar / Drive / Mapsコネクタを接続
Lovableのチャットで以下のように頼むと、コネクタ接続のダイアログが順番に立ち上がります。
不動産の物件管理アプリを作りたいので、下記Googleコネクタを接続したい:
- Google Sheets(物件・顧客マスタ)
- Google Calendar(内見スケジュール)
- Google Drive(図面・契約書PDFの保管)
- Google Maps Platform(地図・徒歩分の計算)
- Gmail(顧客への送付)
- Google Slides(見積もり提案書の生成)ステップ3:物件一覧 × 地図画面を作る
Google Sheetsの『物件マスタ』(スプレッドシートID: 【ここに貼る】 / シート名: properties)から物件を取得し、左に物件カード一覧、右にGoogle Mapsで全物件をピン表示する画面を作って。
要件:
- カードには 物件名 / 家賃 / 間取り / ステータス を表示
- ステータス(募集中/申込中/契約済)と間取りで絞り込みドロップダウン
- カードをクリックすると地図のピンが拡大し、最寄駅まで徒歩何分かをMaps APIで計算して表示
- 右上に『新規物件』ボタンを置き、入力するとスプシに追記ステップ4:見積もり自動計算 → Slidesで提案書PDFを生成
ここがハイライト。Excelで毎回作っていた見積もりを、フォーム入力→Slides提案書PDF→Driveに保存→Gmail下書きまで一気通貫で自動化します。
『見積もり作成』タブを追加して。
- 物件と顧客を選ぶと、家賃・管理費・敷金・礼金・仲介手数料(家賃×1.1)・保証会社初回料(家賃×50%)・火災保険(2年20,000円)を自動計算して内訳を表示
- 『提案書PDFを生成』ボタンを押すと、Google Slidesのテンプレ(テンプレID: 【ここに貼る】)を複製し、物件名/住所/顧客名/内訳金額を差し込んで PDF化、Driveの『見積もり/2026/』フォルダに 物件名_顧客名_yyyyMMdd.pdf で保存
- 保存後、その顧客のメールアドレス宛にGmailの下書きを作成(件名・本文テンプレあり、PDFを添付)
- 送信は人が最終確認してから送る運用にしたいので、ここでは“下書き止まり”でOKステップ5:内見予約をGoogle Calendarで取る
『内見予約』タブを追加して。
- 担当者のGoogle Calendar(calendar id: 【貼る】)の今後14日間から、平日10-19時の空き60分スロットを抽出
- 物件ごとに、顧客が名前・電話・希望日時を入力して予約できるフォームを表示
- 予約確定でCalendarに『内見:[物件名] / [顧客名]』というタイトルでイベント作成、場所欄に物件住所を入れる
- 顧客と担当者の両方にGmailから確認メールを自動送信ステップ6:『社内のみアクセス可』にする
Lovable Cloudの認証を有効にして、@yourcompany.co.jp ドメインのGoogleアカウントでログインしたユーザーだけが、このアプリを使えるようにして。完成すると何が変わるか
- 見積もり作成:従来30分 → 約2分(誤計算ゼロ)
- 内見調整:往復メール5通 → 顧客が自分で予約。担当者は確認だけ
- 物件+地図+見積もり+契約書が1画面に集約され、引き継ぎが容易に
- スプシは現場が今まで通り編集できるので、社内浸透が早い
総論:Lovable × Googleコネクタの全体像#
実例で使ったコネクタ以外も含め、今Lovableに接続できるGoogleコネクタの“使いどころ”を一気にまとめます。自分の業務のどこに当てはめられるか、チェックリストとして使ってください。
| コネクタ | Lovableでできること | 向いている用途例 |
|---|---|---|
| Gmail | メール検索・読み取り・送信・ラベル付与 | 問い合わせ振り分け、送信下書き生成、トリアージダッシュボード |
| Google Calendar | 予定の読み取り・作成・空き時間提案 | 公開予約ページ、チームのスケジュール表、商談リマインダー |
| Google Drive | ファイル・フォルダ検索・メタ情報取得 | クライアントポータル、社内ナレッジ、契約書庫 |
| Google Sheets | セル読み書き・行クエリ | CRM/案件管理/在庫・物件マスタ/アンケート集計 |
| Google Slides | プレゼン作成・更新 | 提案書/報告書/日次レポートの自動生成 |
| Google Maps Platform | ジオコーディング・地図表示・距離計算・場所詳細 | 店舗検索、物流ダッシュボード、不動産検索 |
| Google Docs | ドキュメント作成・編集 | 議事録テンプレ自動化、契約ドラフト生成 |
| BigQuery | テーブルクエリ・分析・結果ストリーム | ライブ売上ダッシュボード、SQL不要の社内BI |
| Gemini Enterprise | 社内データをGeminiでQ&A/要約 | 新人オンボーディング、社内検索アシスタント |
規模別:どこから始めるべきか
1人〜数人で使う場合
サブスクで払っている小さなSaaS(予約フォーム、簡易CRM、見積もりツールなど)から潰すのがコスパ最強。自分のCalendar / Sheetsを裏側にすれば、月額固定費を毎月数千〜数万円カットできます。
- Calendar連携の予約ページ(Calendly代替)
- Sheets連携の簡易CRM/案件パイプライン
- Gmail+Slidesでの定型レポート自動化
中小チーム・代理店の場合
“Sheetをアプリのバックボーンにする”が刺さるレンジ。現場の運用は変えずに、顧客や社外向けの面(ポータル/受注/予約/レポート)だけアプリ化します。
- Sheets在庫+Driveの商品画像で、簡易ECや予約販売を立ち上げる
- Calendar+Sheets+Gmailを統合した『今日の朝イチダッシュボード』
- 本記事の不動産アプリのような“縦割りExcel運用”の統合UI
エンタープライズ(Gemini Enterprise / BigQuery導入済み)
すでにGoogle Cloudに資産があるなら、Lovableで作る社内ツールがそのままGeminiのインデックス・BigQueryの数字・Workspaceの権限の上に乗ります。Lovable自体もGoogle Cloud Marketplaceから契約できるため、既存のCloudコミットを消化できます(新規ベンダー稟議が要らない)。
- Gemini Enterpriseが索引した社内ナレッジを使うQ&A/オンボーディングアプリ
- BigQueryの売上・在庫・KPIをノーSQLで触れる社内BI
- Workspaceの権限と整合する社内ポータル
実装上の落とし穴と回避策#
- スプシIDとシート名は最初に固定する:途中で変えるとアプリ側を必ず手で直す必要あり
- 列名は“仕様”:列名を変えたら『この列名をBに変えました』と必ずLovableに伝える
- Maps APIキーは必ずサーバー関数経由:フロントに置くと課金が暴走するので注意
- 金額・契約に関わるアクションは“人が押すボタン”止まり:自動送信はNG
- 1日200件以上の書き込みが発生し始めたら、Sheets → Lovable Cloud(PostgreSQL) に引っ越すサイン
- 個人情報(メール/電話/住所)を扱うなら、必ず認証+ドメイン制限を入れる
次の一手:あなたの業務の“どこから”始めるか#
次の3つの質問にYesがあるなら、今日30分で着手できます。
- 毎週、複数のスプシ/Excelをコピペして1つの資料を作っていないか?
- Calendar・Drive・Gmailのどれかを“情報の置き場”として使っていないか?
- “この計算、毎回手でやってる”作業(見積もり・集計・転記)が1つ以上あるか?
1つでもYesなら、それが最初のLovable × Googleアプリのテーマです。
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