応用テクニック2026年5月更新

Lovableで自社AIチャットボットを作る完全ガイド|社内FAQ・接客・サポートまで

ChatGPTのような自社AIチャットボットをLovableで構築。社内FAQ、ウェブ接客、カスタマーサポートまで、API契約なし・Lovable AI Gatewayだけで動く実装手順を、非エンジニア向けにじっくり解説します。

更新日: 2026-05-08読了時間 約7#AIチャットボット#Lovable AI#社内FAQ#カスタマーサポート#RAG

こんな『困りごと』ありませんか?#

  • ChatGPTを社内に入れたいけど、機密情報を投げるのが怖い/全員分のアカウント費用が重い
  • サイトに『AIに質問』ボタンを置きたいけど、IntercomやZendeskは月額が高すぎる
  • FAQページを作っても誰も読まない。同じ質問が毎日Slackに飛んでくる
  • 自社マニュアル・商品データを覚えたAIに、24時間お客様対応してほしい
  • 外部のチャットボットSaaSは『デザインが浮く』『データを社外に出したくない』

この記事は、こうした困りごとを『Lovableで作る自社AIチャットボット』で一気に解決する手順書です。プログラミング未経験でも、チャット欄に貼るだけのプロンプト集付きで、半日で動くものまで持っていけます。

完成イメージ#

[ 画像プレースホルダ: IMG-CHATBOT-01 ]
完成版:右下にチャットボタン→クリックで自社AIチャット窓が開いている画面
📷 撮影指示:公開済みLovableアプリの右下に丸いチャットボタン、クリックでウィンドウが開きAIが『こんにちは、〇〇株式会社のAIアシスタントです』と挨拶している瞬間。回答に出典リンクも表示。

最終的には『ブランドに合わせたデザイン』『自社情報を学んだ回答』『出典リンク付き』『会話履歴の保存』まで揃ったチャットボットになります。順を追って作ります。

Before / After#

  • ❌ Before:FAQページに分散した情報を、お客様や社員が自力で探す。同じ質問が毎日Slackに
  • ❌ Before:ChatGPT Teamを全社員分契約(月3,000円×人数)→年間数百万円のコスト
  • ✅ After:自社サイトに常駐するAIが、自社マニュアルを根拠に24時間回答。問い合わせ件数が大幅減
  • ✅ After:Lovable AI Gatewayの従量課金で、使った分だけ。社内利用は社員のログインで制限可

全体像(裏で何が起きているか)#

[ユーザー] 
   │ 質問を入力
   ▼
[Lovableで作ったチャット画面] 
   │ /api/chat に送信(会話履歴も一緒に)
   ▼
[Lovableのサーバー関数(裏側のプログラム)] 
   │ ① 関連する社内ドキュメントを検索(RAG)
   │ ② 検索結果+会話履歴をAIに渡す
   ▼
[Lovable AI Gateway] 
   │ Gemini / GPTなどのAIモデルを呼ぶ
   ▼
[ストリーミングで回答が戻る] → 画面に少しずつ表示
ポイントは『AIキーをブラウザに置かない』こと。すべて裏側のサーバー関数経由なので、誰かにキーを盗まれる心配がありません。Lovableが自動でこの構造を作ってくれます。

ステップ1:何を学ばせるか決める(最重要)#

AIチャットボットの精度の8割は『何を覚えさせるか』で決まります。最初に以下を決めてください。

  • 対象ユーザー:社内向け?お客様向け?両方?
  • 学ばせるドキュメント:FAQ、商品マニュアル、社内規程、過去の問い合わせログ、議事録など
  • 答えさせない範囲:価格交渉、契約条件、医療・法律的判断などはNGにする
  • 答えがわからないときの挙動:『担当者にお繋ぎします』のように、無理に答えさせない
『社内のすべてを答えるAI』を最初から目指すと失敗します。まずは1テーマ(例:人事制度FAQだけ)に絞って成功体験を作るのが王道です。

ステップ2:Lovable Cloudを有効化(30秒)#

会話履歴の保存とログイン機能のために、Lovable Cloudを有効化しておきます。Lovableチャット欄に次のようにお願いするだけです。

Lovable Cloudを有効化して、メールログインができるようにしてください。チャット履歴を保存するための conversations / messages テーブルも作ってください。
[ 画像プレースホルダ: IMG-CHATBOT-02 ]
Lovable Cloud有効化ダイアログ
📷 撮影指示:Lovable画面でCloudを有効化する確認ダイアログが表示されている瞬間

ステップ3:チャットUIを作る(コピペプロンプト)#

Lovableチャット欄に下記をそのまま貼ってください。AI Elements(チャット用の整ったコンポーネント群)を使って、ChatGPT風のきれいな画面が一発で出ます。

/chat ルートに、ChatGPT風のチャット画面を作ってください。要件:
- AI Elements(@/components/ai-elements/)の Conversation / Message / PromptInput を使う
- メッセージは message.parts でレンダリング(テキスト+将来のツール表示に対応)
- 送信中は『考え中…』のシマー表示
- 入力欄は常にフォーカス、Enterで送信、Shift+Enterで改行
- ストリーミングでAIの回答が少しずつ表示される
- 右上に『新しい会話』ボタン
- ブランドカラーは src/styles.css のセマンティックトークンを使用
[ 画像プレースホルダ: IMG-CHATBOT-03 ]
完成したチャット画面(空の状態)
📷 撮影指示:/chat を開いて、まだメッセージがない状態の画面。下部にプロンプト入力欄、上部に新しい会話ボタン

ステップ4:AIを呼び出すサーバー関数を作る#

Lovable AI Gateway経由でAIを呼ぶサーバー側の処理を作ります。チャット欄に下記を貼ってください。

src/routes/api/chat.ts にPOSTハンドラを作ってください。要件:
- @ai-sdk/openai-compatible で Lovable AI Gateway(https://ai.gateway.lovable.dev/v1)に接続
- ヘッダーは Lovable-API-Key と X-Lovable-AIG-SDK: vercel-ai-sdk
- モデルは google/gemini-3-flash-preview(デフォルト)
- streamText で会話履歴を渡し、toUIMessageStreamResponse でストリーミング返却
- LOVABLE_API_KEY は process.env から読み、未設定なら500エラー
- システムプロンプトは『あなたは〇〇株式会社のAIアシスタント。事実に基づき、不明点は推測せず担当者に繋ぐと答える』
- 429(レート制限)と402(クレジット切れ)は専用エラーメッセージを返す
LOVABLE_API_KEYはLovableが自動で発行してくれる鍵です。あなたが用意する必要はありません。OpenAIのAPIキーも不要。

ステップ5:自社情報を覚えさせる(RAG)#

ここが本記事のキモです。RAG(Retrieval-Augmented Generation)= 質問のたびに関連ドキュメントを検索してAIに渡す仕組みを作ります。

5-1. ドキュメントを保存するテーブルを作る

Lovable Cloudに knowledge_documents テーブルを作ってください。
カラム:id, title, content(本文), source_url, embedding(vector(1536)), created_at
- pgvector拡張を有効化
- embeddingカラムにHNSWインデックス(cosine距離)
- RLSをON、認証済みユーザーは読み取り可、admin ロールのみ書き込み可(has_role関数で判定)

5-2. ドキュメント取り込み画面を作る

/admin/knowledge ページを作ってください。
- 管理者ログイン必須
- テキスト貼り付け or .md/.txt/.pdfファイルアップロードでナレッジを登録
- 登録時にサーバー関数で text-embedding-3-small(または gemini-embedding)でベクトル化して保存
- 一覧表示・削除も可能
[ 画像プレースホルダ: IMG-CHATBOT-04 ]
ナレッジ登録画面:ドキュメントが一覧表示されている
📷 撮影指示:/admin/knowledge を開いて、社内マニュアルを5〜10件登録した状態の一覧画面

5-3. チャット時に関連ドキュメントを検索して渡す

/api/chat のサーバー関数を改修してください。
- ユーザーの最新の質問をベクトル化
- knowledge_documents から cosine類似度で上位5件を取得
- システムプロンプトに『以下の社内ドキュメントを根拠に回答してください。根拠がない場合は推測せず、わからないと答えてください』として埋め込む
- 回答末尾に出典タイトル+URLを表示するよう指示

ステップ6:サイト右下に常駐させる(埋め込みウィジェット)#

せっかくのチャットボット、専用ページに置いただけでは使われません。サイト全体の右下に常駐させます。

__root.tsx にチャットウィジェット(FloatingChatWidget)を追加してください。
- 右下に丸い💬ボタン(ブランドカラー、影付き)
- クリックで400x600pxのチャット窓が開く(モバイルは全画面)
- 閉じるボタン、最小化ボタン
- 状態は localStorage に保存(再訪時も会話継続)
- /admin や /login など特定ルートでは非表示
[ 画像プレースホルダ: IMG-CHATBOT-05 ]
サイト右下のチャットボタン
📷 撮影指示:公開済みLovableアプリのトップページ右下に丸いチャットボタンが浮いている状態
[ 画像プレースホルダ: IMG-CHATBOT-06 ]
チャットウィンドウが開いて会話している状態
📷 撮影指示:ボタンをクリックしてチャット窓が開き、ユーザーが『返品ポリシーは?』と質問→AIが社内マニュアルを根拠に回答し、末尾に出典リンクが表示されている瞬間

ステップ7:会話履歴を保存する#

後で『どんな質問が多いか』を分析するため、会話履歴を保存します。

conversations と messages テーブルを使って、すべての会話をDBに保存してください。
- conversations: id, user_id(nullable=匿名OK), title(最初の質問から自動生成), created_at
- messages: id, conversation_id, role(user/assistant), content, created_at
- toUIMessageStreamResponse の onFinish で完了したメッセージを保存
- /admin/conversations で管理者が一覧・検索可能(RLSで保護)

ステップ8:本番運用前の必須チェック#

  • ✅ 鍵はサーバー関数のみ(VITE_接頭辞は使わない)
  • ✅ レート制限:1ユーザーあたり1分10回までの簡易制限を入れる(悪用防止)
  • ✅ 個人情報マスク:氏名・メアドが回答に出ないようシステムプロンプトで指示
  • ✅ 『わからないとき』のフォールバック:『お問い合わせフォームへ』のリンクを必ず出す
  • ✅ ログ:管理画面で『回答できなかった質問』を週次レビュー→ナレッジに追加するループ

よくある失敗とリカバリ#

『何でも答えるAI』を作ると、嘘(ハルシネーション)が増えます。必ずRAGで根拠ドキュメントを渡し、『根拠がなければわからないと答える』をシステムプロンプトに明記してください。
ナレッジ登録時に長文を1ドキュメントに詰め込むと検索精度が落ちます。1ドキュメント=1テーマ・500〜1000字程度に分割(チャンク分け)してください。
本番運用で『毎回ChatGPTを呼ぶのと同じレベルのコスト』になることがあります。よくある質問はキャッシュ、簡単な質問は軽量モデル(gemini-3.1-flash-lite-preview)に振り分けるとコストが1/5以下に。

次の一歩:拡張アイデア#

  • Slackコネクタ:Slackで@メンション→このAIが答える社内Botに
  • Resendコネクタ:『わからない』回答が出たら担当者にメール通知
  • Stripeコネクタ:有料プラン限定で高度な質問解放
  • Google Sheets:会話履歴を自動でスプレッドシートに同期して分析
  • 音声入力:ElevenLabsコネクタで音声会話できるAIに

よくある質問#

Q. ChatGPTのAPIキーは必要?

不要です。Lovable AI Gateway経由なら、Gemini / GPT / Claudeなどを統一窓口で使えます。Lovableのクレジットから従量課金されます。

Q. 何件くらいまで学ばせられる?

pgvector + HNSWインデックスなら、数万件のドキュメントでも実用的な速度で検索できます。それ以上はDBの分割やキャッシュ戦略を検討してください。

Q. 社外秘データを使って大丈夫?

Lovable CloudのDBに保存されるデータは、Lovable AI Gatewayを通じてAIモデルに渡る部分以外は社外に出ません。AIモデル側のデータ取り扱い方針は、利用するモデル(Gemini / GPTなど)の規約を確認してください。重要案件はEnterpriseプランや、自社のVertex AI / Bedrockに切り替える選択肢もあります。

完成したらまずは社内の1チームで2週間使ってもらい、『回答できなかった質問ログ』を毎週ナレッジに追加していくのが一番効果的な育て方です。

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※ 本記事は非公式の日本語ガイドです。最新情報は公式ドキュメントをご確認ください。