Lovableで自社AIチャットボットを作る完全ガイド|社内FAQ・接客・サポートまで
ChatGPTのような自社AIチャットボットをLovableで構築。社内FAQ、ウェブ接客、カスタマーサポートまで、API契約なし・Lovable AI Gatewayだけで動く実装手順を、非エンジニア向けにじっくり解説します。
こんな『困りごと』ありませんか?#
- ChatGPTを社内に入れたいけど、機密情報を投げるのが怖い/全員分のアカウント費用が重い
- サイトに『AIに質問』ボタンを置きたいけど、IntercomやZendeskは月額が高すぎる
- FAQページを作っても誰も読まない。同じ質問が毎日Slackに飛んでくる
- 自社マニュアル・商品データを覚えたAIに、24時間お客様対応してほしい
- 外部のチャットボットSaaSは『デザインが浮く』『データを社外に出したくない』
この記事は、こうした困りごとを『Lovableで作る自社AIチャットボット』で一気に解決する手順書です。プログラミング未経験でも、チャット欄に貼るだけのプロンプト集付きで、半日で動くものまで持っていけます。
完成イメージ#
最終的には『ブランドに合わせたデザイン』『自社情報を学んだ回答』『出典リンク付き』『会話履歴の保存』まで揃ったチャットボットになります。順を追って作ります。
Before / After#
- ❌ Before:FAQページに分散した情報を、お客様や社員が自力で探す。同じ質問が毎日Slackに
- ❌ Before:ChatGPT Teamを全社員分契約(月3,000円×人数)→年間数百万円のコスト
- ✅ After:自社サイトに常駐するAIが、自社マニュアルを根拠に24時間回答。問い合わせ件数が大幅減
- ✅ After:Lovable AI Gatewayの従量課金で、使った分だけ。社内利用は社員のログインで制限可
全体像(裏で何が起きているか)#
[ユーザー]
│ 質問を入力
▼
[Lovableで作ったチャット画面]
│ /api/chat に送信(会話履歴も一緒に)
▼
[Lovableのサーバー関数(裏側のプログラム)]
│ ① 関連する社内ドキュメントを検索(RAG)
│ ② 検索結果+会話履歴をAIに渡す
▼
[Lovable AI Gateway]
│ Gemini / GPTなどのAIモデルを呼ぶ
▼
[ストリーミングで回答が戻る] → 画面に少しずつ表示ステップ1:何を学ばせるか決める(最重要)#
AIチャットボットの精度の8割は『何を覚えさせるか』で決まります。最初に以下を決めてください。
- 対象ユーザー:社内向け?お客様向け?両方?
- 学ばせるドキュメント:FAQ、商品マニュアル、社内規程、過去の問い合わせログ、議事録など
- 答えさせない範囲:価格交渉、契約条件、医療・法律的判断などはNGにする
- 答えがわからないときの挙動:『担当者にお繋ぎします』のように、無理に答えさせない
ステップ2:Lovable Cloudを有効化(30秒)#
会話履歴の保存とログイン機能のために、Lovable Cloudを有効化しておきます。Lovableチャット欄に次のようにお願いするだけです。
Lovable Cloudを有効化して、メールログインができるようにしてください。チャット履歴を保存するための conversations / messages テーブルも作ってください。ステップ3:チャットUIを作る(コピペプロンプト)#
Lovableチャット欄に下記をそのまま貼ってください。AI Elements(チャット用の整ったコンポーネント群)を使って、ChatGPT風のきれいな画面が一発で出ます。
/chat ルートに、ChatGPT風のチャット画面を作ってください。要件:
- AI Elements(@/components/ai-elements/)の Conversation / Message / PromptInput を使う
- メッセージは message.parts でレンダリング(テキスト+将来のツール表示に対応)
- 送信中は『考え中…』のシマー表示
- 入力欄は常にフォーカス、Enterで送信、Shift+Enterで改行
- ストリーミングでAIの回答が少しずつ表示される
- 右上に『新しい会話』ボタン
- ブランドカラーは src/styles.css のセマンティックトークンを使用ステップ4:AIを呼び出すサーバー関数を作る#
Lovable AI Gateway経由でAIを呼ぶサーバー側の処理を作ります。チャット欄に下記を貼ってください。
src/routes/api/chat.ts にPOSTハンドラを作ってください。要件:
- @ai-sdk/openai-compatible で Lovable AI Gateway(https://ai.gateway.lovable.dev/v1)に接続
- ヘッダーは Lovable-API-Key と X-Lovable-AIG-SDK: vercel-ai-sdk
- モデルは google/gemini-3-flash-preview(デフォルト)
- streamText で会話履歴を渡し、toUIMessageStreamResponse でストリーミング返却
- LOVABLE_API_KEY は process.env から読み、未設定なら500エラー
- システムプロンプトは『あなたは〇〇株式会社のAIアシスタント。事実に基づき、不明点は推測せず担当者に繋ぐと答える』
- 429(レート制限)と402(クレジット切れ)は専用エラーメッセージを返すステップ5:自社情報を覚えさせる(RAG)#
ここが本記事のキモです。RAG(Retrieval-Augmented Generation)= 質問のたびに関連ドキュメントを検索してAIに渡す仕組みを作ります。
5-1. ドキュメントを保存するテーブルを作る
Lovable Cloudに knowledge_documents テーブルを作ってください。
カラム:id, title, content(本文), source_url, embedding(vector(1536)), created_at
- pgvector拡張を有効化
- embeddingカラムにHNSWインデックス(cosine距離)
- RLSをON、認証済みユーザーは読み取り可、admin ロールのみ書き込み可(has_role関数で判定)5-2. ドキュメント取り込み画面を作る
/admin/knowledge ページを作ってください。
- 管理者ログイン必須
- テキスト貼り付け or .md/.txt/.pdfファイルアップロードでナレッジを登録
- 登録時にサーバー関数で text-embedding-3-small(または gemini-embedding)でベクトル化して保存
- 一覧表示・削除も可能5-3. チャット時に関連ドキュメントを検索して渡す
/api/chat のサーバー関数を改修してください。
- ユーザーの最新の質問をベクトル化
- knowledge_documents から cosine類似度で上位5件を取得
- システムプロンプトに『以下の社内ドキュメントを根拠に回答してください。根拠がない場合は推測せず、わからないと答えてください』として埋め込む
- 回答末尾に出典タイトル+URLを表示するよう指示ステップ6:サイト右下に常駐させる(埋め込みウィジェット)#
せっかくのチャットボット、専用ページに置いただけでは使われません。サイト全体の右下に常駐させます。
__root.tsx にチャットウィジェット(FloatingChatWidget)を追加してください。
- 右下に丸い💬ボタン(ブランドカラー、影付き)
- クリックで400x600pxのチャット窓が開く(モバイルは全画面)
- 閉じるボタン、最小化ボタン
- 状態は localStorage に保存(再訪時も会話継続)
- /admin や /login など特定ルートでは非表示ステップ7:会話履歴を保存する#
後で『どんな質問が多いか』を分析するため、会話履歴を保存します。
conversations と messages テーブルを使って、すべての会話をDBに保存してください。
- conversations: id, user_id(nullable=匿名OK), title(最初の質問から自動生成), created_at
- messages: id, conversation_id, role(user/assistant), content, created_at
- toUIMessageStreamResponse の onFinish で完了したメッセージを保存
- /admin/conversations で管理者が一覧・検索可能(RLSで保護)ステップ8:本番運用前の必須チェック#
- ✅ 鍵はサーバー関数のみ(VITE_接頭辞は使わない)
- ✅ レート制限:1ユーザーあたり1分10回までの簡易制限を入れる(悪用防止)
- ✅ 個人情報マスク:氏名・メアドが回答に出ないようシステムプロンプトで指示
- ✅ 『わからないとき』のフォールバック:『お問い合わせフォームへ』のリンクを必ず出す
- ✅ ログ:管理画面で『回答できなかった質問』を週次レビュー→ナレッジに追加するループ
よくある失敗とリカバリ#
次の一歩:拡張アイデア#
- Slackコネクタ:Slackで@メンション→このAIが答える社内Botに
- Resendコネクタ:『わからない』回答が出たら担当者にメール通知
- Stripeコネクタ:有料プラン限定で高度な質問解放
- Google Sheets:会話履歴を自動でスプレッドシートに同期して分析
- 音声入力:ElevenLabsコネクタで音声会話できるAIに
よくある質問#
Q. ChatGPTのAPIキーは必要?
不要です。Lovable AI Gateway経由なら、Gemini / GPT / Claudeなどを統一窓口で使えます。Lovableのクレジットから従量課金されます。
Q. 何件くらいまで学ばせられる?
pgvector + HNSWインデックスなら、数万件のドキュメントでも実用的な速度で検索できます。それ以上はDBの分割やキャッシュ戦略を検討してください。
Q. 社外秘データを使って大丈夫?
Lovable CloudのDBに保存されるデータは、Lovable AI Gatewayを通じてAIモデルに渡る部分以外は社外に出ません。AIモデル側のデータ取り扱い方針は、利用するモデル(Gemini / GPTなど)の規約を確認してください。重要案件はEnterpriseプランや、自社のVertex AI / Bedrockに切り替える選択肢もあります。
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※ 本記事は非公式の日本語ガイドです。最新情報は公式ドキュメントをご確認ください。